SDの月次処理は、請求漏れをなくし、売上を正しい期間に計上することが目的です。個々の伝票処理は日次で行われるため、月次では「漏れがないか」の確認が中心になります。
請求の一括処理
出荷が完了した伝票を請求する作業は、VF04(請求未処理リスト)で一括して行います。
| 順序 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 選択条件(請求日、販売組織、請求先など)を指定して実行 |
| 2 | 請求対象となる伝票の一覧が表示される |
| 3 | 内容を確認し、必要に応じて個別に除外 |
| 4 | 一括請求(Collective Billing)を実行 |
| 5 | ログを確認し、エラーとなった伝票を個別に対応 |
大量の伝票を処理する場合は、バックグラウンドジョブとして定期実行する設定にします。毎日夜間に自動実行しておけば、日中に翌日分の確認だけで済みます。
月次で確認すべき項目
月次決算に向けて、SD側で確認すべき項目は次のとおりです。
| 確認項目 | Tコード | 放置した場合の影響 |
|---|---|---|
| 請求漏れ(出庫済み未請求) | VF04 | 売上の計上漏れ。期ズレが発生 |
| 出荷漏れ(受注済み未出荷) | VL10 / VA05 | 受注残が実態と乖離 |
| 請求ブロック中の伝票 | V.23 | 意図せず売上が計上されない |
| 出荷ブロック中の伝票 | VL06O | 出荷が滞留する |
| 未処理の返品 | VA05(伝票タイプRE) | 返品の反映漏れ |
| 不完全伝票 | V.02 | 後続処理に進めない伝票が滞留 |
不完全伝票の管理
SDには不完全ログという仕組みがあります。必須項目が入力されていない伝票を「不完全」として記録し、後続処理をブロックします。
何を必須とするかは、不完全性手順で定義します。受注伝票で購買発注番号を必須にする、出荷先の設定がなければ出荷させない、といった制御が可能です。V.02で不完全伝票の一覧を確認できます。
FIとの整合確認
SDで請求した金額が、FIに正しく転記されているかを確認します。通常は自動的に転記されますが、勘定決定の設定に不備があると転記に失敗し、請求伝票が会計未転記のまま残ります。
VFX3で、会計転記されていない請求伝票の一覧を確認できます。ここに伝票が滞留している場合、勘定決定の設定(VKOA)や、転記期間の状態を確認する必要があります。
売上の期間帰属
売上をいつ計上するかは、会計上の重要な論点です。SAPの標準では、請求伝票を転記した日付(転記日付)の期間に売上が計上されます。
出荷基準で売上を認識する場合、出庫転記と請求転記の日付がずれると、期ズレが発生します。月末近くの取引では、出庫転記の日付と請求伝票の転記日付を揃える運用が必要です。請求伝票の転記日付は、作成時に手動で指定できます。
検収基準など、より複雑な収益認識が求められる場合は、収益認識機能(Revenue Recognition)や、S/4HANAのRAR(Revenue Accounting and Reporting)の導入を検討することになります。