SDの組織構造は、他モジュールと比べて要素が多く、最初に戸惑いやすい領域です。ただし、それぞれが何のために存在するかを押さえれば、設計の意図が見えてきます。
3つの軸
SDの中核をなすのは、販売組織・流通チャネル・製品部門という3つの軸です。
| 組織単位 | 表すもの | 例 |
|---|---|---|
| 販売組織 | 販売に責任を持つ単位。法的な責任の所在 | 国内販売、輸出販売 |
| 流通チャネル | 商品が顧客に届く経路 | 直販、代理店、EC、卸 |
| 製品部門 | 商品の大きな括り | 産業機器、家庭用品、消耗品 |
販売組織は必ず1つの会社コードに割り当てられます。つまり、販売組織が決まれば、その売上がどの会社の帳簿に載るかが決まります。
販売エリア
この3つの組み合わせが販売エリア(Sales Area)です。販売エリアはSDにおける最も重要な単位で、あらゆる設定がこの単位で保持されます。
なぜ3つを組み合わせるのか。それは、同じ得意先でも条件を変えたい場面があるためです。
| 設定 | 変える理由の例 |
|---|---|
| 価格 | 代理店向けは直販より単価を下げる |
| 支払条件 | 輸出は前払い、国内は月末締め |
| 出荷条件 | ECは宅配便、卸はトラック便 |
| 与信限度額 | チャネルごとに限度を分ける |
出荷に関わる組織単位
販売エリアが「誰にどう売るか」を表すのに対し、出荷側には「どこからどう出すか」を表す組織単位があります。
| 組織単位 | 役割 | 所属 |
|---|---|---|
| プラント | 在庫を持つ拠点 | 会社コードに所属 |
| 保管場所 | プラント内の在庫の置き場 | プラントに所属 |
| 出荷ポイント | 出荷作業を行う単位 | プラントに所属 |
| 積込ポイント | 出荷ポイント内の積込場所 | 出荷ポイントに所属 |
出荷ポイントは、出荷伝票が作られる単位です。同じプラントでも、宅配便用とトラック便用で出荷ポイントを分けることで、作業を分離できます。出荷ポイントは、出荷条件・積込グループ・プラントの組み合わせから自動決定されます。
組織単位の割当関係
組織単位どうしの割当には、以下のような関係があります。設定の際は、この関係を1つずつ定義していきます。
- 販売組織 → 会社コード(1対1。売上の帰属先が決まる)
- 流通チャネル → 販売組織(多対多)
- 製品部門 → 販売組織(多対多)
- プラント → 販売組織・流通チャネル(このプラントから、この経路で販売できる)
- 出荷ポイント → プラント(多対多)
販売地区と営業組織
上記とは別に、営業活動を管理するための組織単位もあります。
販売地区(Sales District)は、地理的な区分による分析軸です。営業所(Sales Office)と営業グループ(Sales Group)は、営業体制を表す単位で、受注伝票に記録されて営業成績の分析に使われます。これらは伝票の処理そのものには影響せず、主に分析のための情報として機能します。