ステータスは、プロジェクトオブジェクトが今どういう状態にあるかを表し、同時にどんな操作が許されるかを制御します。PSの統制機能の中核です。
2種類のステータス
| 種類 | 定義者 | 内容 |
|---|---|---|
| システムステータス | SAP | 標準で定義済み。挙動が決まっている |
| ユーザーステータス | 導入企業 | 独自に定義できる。業務プロセスを反映 |
システムステータスは変更できませんが、ユーザーステータスは自由に設計でき、独自の承認プロセスや業務ルールを表現できます。
主なシステムステータス
| ステータス | 略号 | 意味 | 可能なこと |
|---|---|---|---|
| 作成済 | CRTD | 構造は作られたが未解放 | 計画、予算の入力 |
| 解放済 | REL | 実行が許可された | 実績転記、購買、確認 |
| 技術的完了 | TECO | 実行としては終了 | 実績転記は可能。所要量は消える |
| 完了 | CLSD | 会計的にも終了 | 転記不可。残高ゼロが前提 |
| ロック | LKD | 一時的に凍結 | 転記を止める |
| 削除フラグ | DLFL | 論理削除 | アーカイブ対象 |
ステータスの遷移
ステータスは、原則として一方向に進みます。逆行できるものと、できないものがあります。
CRTD ──→ REL ──→ TECO ──→ CLSD
↑ │
└─────────┘
(TECOは解除可能)
CLSD からの逆行は原則不可
(設定により解除できる場合もある)解放(REL)は取り消せません。一度実行を許可したものを「まだ計画段階」に戻すことはできない、という考え方です。誤って解放した場合は、削除フラグを立てて新しい構造を作り直すことになります。
ユーザーステータスの設計
ユーザーステータスは、ステータスプロファイル(OK02)で定義します。企業独自の業務プロセスを、システム上で強制できるようになります。
| ステータス | 意味 | 制御内容 |
|---|---|---|
| 申請中 | 承認待ち | 実績転記を禁止 |
| 承認済 | 実行可能 | 制限なし |
| 保留 | 一時停止 | 購買発注を禁止 |
| 検収待ち | 完了報告済み | 新規の購買を禁止 |
| 検収済 | 顧客検収完了 | 請求を許可 |
ユーザーステータスでは、各ステータスに対して「許可する業務」「禁止する業務」「警告を出す業務」を定義できます。これにより、単なるラベルではなく、実際に業務を制御する仕組みとして機能します。
ステータスによる制御の確認
ある操作がなぜできないのかを調べるには、オブジェクトのステータス詳細画面を開きます。CJ20Nで対象を選び、ステータスの詳細を表示すると、現在のステータスと、それによって禁止されている業務の一覧が確認できます。
「この操作はステータスXXXにより許可されていません」というエラーが出た場合、この画面で原因のステータスを特定できます。システムステータスかユーザーステータスか、どちらが制約しているかも判別できます。