ネットワークは、プロジェクトの作業を「活動」という単位に分け、その順序関係を定義した構造です。WBSが原価の器であるのに対し、ネットワークは日程と実行の器です。
ネットワークと活動
ネットワークは活動の集合であり、各活動が具体的な作業を表します。ネットワーク全体、または活動ごとに、WBS要素へ割り当てます。
| カテゴリ | 内容 | 発生する原価 |
|---|---|---|
| 内部処理活動 | 自社の要員・設備で行う作業 | 作業場所の活動単価 × 作業時間 |
| 外部処理活動 | 外注する作業 | 購買依頼が自動生成される |
| サービス活動 | サービス調達 | サービス明細と実施記録 |
| 原価活動 | 原価だけを計上する | 直接の原価転記 |
外部処理活動を作成すると、購買依頼が自動的に生成されます。これにより、日程計画と調達が連動します。ネットワークを使う大きな利点の1つです。
関係(Relationship)
活動どうしの順序関係を定義するのが関係です。4種類あり、実務では終了・開始(FS)が最も多く使われます。
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| FS(終了・開始) | 前の活動が終わったら次を開始 | 基礎工事完了後に建方を開始 |
| SS(開始・開始) | 前の活動が始まったら次も開始 | 施工開始と同時に品質検査を開始 |
| FF(終了・終了) | 前の活動が終わったら次も終了 | 工事完了と検査完了を揃える |
| SF(開始・終了) | 前の活動が始まったら次を終了 | 稀。切替時に使う |
関係にはラグ(時間差)を設定できます。「前工程の完了から3日後に開始」といった余裕日数や、「前工程の完了2日前から開始」といった重なりを表現できます。
スケジューリングとクリティカルパス
ネットワークをスケジューリングすると、各活動の最早開始日・最早終了日、最遅開始日・最遅終了日が計算されます。
| 日付 | 意味 |
|---|---|
| 最早開始日 | 先行活動の制約上、最も早く始められる日 |
| 最早終了日 | 最早開始日から所要期間を加えた日 |
| 最遅開始日 | 全体の納期を守るために遅くとも始めるべき日 |
| 最遅終了日 | 全体の納期を守るために遅くとも終えるべき日 |
| フロート(余裕) | 最遅開始日 − 最早開始日 |
フロートがゼロの活動の連なりが、クリティカルパスです。この経路上の活動が1日遅れれば、プロジェクト全体が1日遅れます。日程管理では、クリティカルパス上の活動を重点的に監視することになります。
所要量の生成
ネットワーク活動には、資材を割り当てられます。割り当てた資材は、活動の日程にもとづいてMRPの所要量となり、購買依頼や製造指図が生成されます。
これにより、「この工事が5月に始まるから、資材は4月末までに調達する」という連動が自動的に実現します。日程が変更されれば、所要日も自動的に更新されます。
マイルストーン
マイルストーンは、プロジェクトの節目を表すオブジェクトです。WBS要素にも活動にも設定できます。
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| 進捗管理 | 重要な達成時点を可視化する |
| マイルストーン請求 | 節目の達成時に顧客へ請求する(SD連携) |
| トリガ機能 | 達成時に他の活動を自動的にリリースする |
| 進捗分析 | 進捗率の算定基準として使う |
マイルストーン請求は、大型案件でよく使われる仕組みです。「設計完了時に30%、製作完了時に40%、引渡時に30%」といった請求条件を、マイルストーンとSDの請求計画で表現します。マイルストーンが達成されると、請求のブロックが自動的に解除されます。