セクション 4 / 10

ネットワークと活動

ネットワークと活動の役割、関係(Relationship)による順序制御、活動タイプごとの違いを解説します。

目次を開く

ネットワークは、プロジェクトの作業を「活動」という単位に分け、その順序関係を定義した構造です。WBSが原価の器であるのに対し、ネットワークは日程と実行の器です。

ネットワークと活動

ネットワークは活動の集合であり、各活動が具体的な作業を表します。ネットワーク全体、または活動ごとに、WBS要素へ割り当てます。

活動のカテゴリ
カテゴリ内容発生する原価
内部処理活動自社の要員・設備で行う作業作業場所の活動単価 × 作業時間
外部処理活動外注する作業購買依頼が自動生成される
サービス活動サービス調達サービス明細と実施記録
原価活動原価だけを計上する直接の原価転記

外部処理活動を作成すると、購買依頼が自動的に生成されます。これにより、日程計画と調達が連動します。ネットワークを使う大きな利点の1つです。

関係(Relationship)

活動どうしの順序関係を定義するのが関係です。4種類あり、実務では終了・開始(FS)が最も多く使われます。

関係の4種類
種類意味
FS(終了・開始)前の活動が終わったら次を開始基礎工事完了後に建方を開始
SS(開始・開始)前の活動が始まったら次も開始施工開始と同時に品質検査を開始
FF(終了・終了)前の活動が終わったら次も終了工事完了と検査完了を揃える
SF(開始・終了)前の活動が始まったら次を終了稀。切替時に使う

関係にはラグ(時間差)を設定できます。「前工程の完了から3日後に開始」といった余裕日数や、「前工程の完了2日前から開始」といった重なりを表現できます。

スケジューリングとクリティカルパス

ネットワークをスケジューリングすると、各活動の最早開始日・最早終了日、最遅開始日・最遅終了日が計算されます。

スケジューリングで算出される日付
日付意味
最早開始日先行活動の制約上、最も早く始められる日
最早終了日最早開始日から所要期間を加えた日
最遅開始日全体の納期を守るために遅くとも始めるべき日
最遅終了日全体の納期を守るために遅くとも終えるべき日
フロート(余裕)最遅開始日 − 最早開始日

フロートがゼロの活動の連なりが、クリティカルパスです。この経路上の活動が1日遅れれば、プロジェクト全体が1日遅れます。日程管理では、クリティカルパス上の活動を重点的に監視することになります。

所要量の生成

ネットワーク活動には、資材を割り当てられます。割り当てた資材は、活動の日程にもとづいてMRPの所要量となり、購買依頼や製造指図が生成されます。

これにより、「この工事が5月に始まるから、資材は4月末までに調達する」という連動が自動的に実現します。日程が変更されれば、所要日も自動的に更新されます。

マイルストーン

マイルストーンは、プロジェクトの節目を表すオブジェクトです。WBS要素にも活動にも設定できます。

マイルストーンの用途
用途内容
進捗管理重要な達成時点を可視化する
マイルストーン請求節目の達成時に顧客へ請求する(SD連携)
トリガ機能達成時に他の活動を自動的にリリースする
進捗分析進捗率の算定基準として使う

マイルストーン請求は、大型案件でよく使われる仕組みです。「設計完了時に30%、製作完了時に40%、引渡時に30%」といった請求条件を、マイルストーンとSDの請求計画で表現します。マイルストーンが達成されると、請求のブロックが自動的に解除されます。

📖 わからない用語は SAP用語辞典 で調べられます。

理解度チェック

このセクションの内容を確認しましょう。

確認問題 1

ネットワークを構成する基本要素は何か。

確認問題 2

外部への発注が伴う活動の種類はどれか。

確認問題 3

ネットワークのリレーションシップにより、活動間のクリティカルパスを特定できる。

確認問題 4

社内リソースを使用する作業に該当する活動の種類はどれか。

確認問題 5

原価活動は実際の作業を伴う活動である。

確認問題 6

プロジェクトの重要な節目を管理するために活動に設定するものは何か。