計画と予算を立てたら、次は実績を集めます。プロジェクトに原価が集まる経路は複数あり、それぞれ他モジュールと連携しています。
実績が集まる経路
| 経路 | 発生元 | 内容 |
|---|---|---|
| 資材の購買 | MM | WBS要素を勘定設定して発注し、入庫時に原価計上 |
| 資材の出庫 | MM | プロジェクト在庫または通常在庫からの払出 |
| 外注 | MM | 外部処理活動からの発注、サービス実施記録 |
| 社内工数 | CO / HR | 活動確認、または直接の活動配賦 |
| 直接費用 | FI | 旅費、経費などの直接転記 |
| 間接費配賦 | CO | 期末の間接費上乗せ |
| 他オブジェクトからの決済 | CO | 内部指図などからの振替 |
コミットメント
コミットメント(Commitment)は、まだ費用にはなっていないが、支出が確定している金額です。PSの実績管理を理解するうえで欠かせない概念です。
| 段階 | コミットメント | 実績原価 |
|---|---|---|
| 購買依頼を作成 | 発生 | — |
| 購買発注に変換 | 購買依頼分が消え、発注分が発生 | — |
| 入庫 | 消滅 | 発生 |
| 請求照合 | — | 差額があれば調整 |
購買依頼を作った時点でコミットメントが立ち、入庫して実績原価になると同時にコミットメントが消えます。この仕組みにより、「発注済みだがまだ費用計上されていない金額」を可視化できます。
工数の転記
社内の要員がプロジェクトに費やした時間を原価に変換する方法は、いくつかあります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ネットワーク活動の確認(CN25) | 活動に対して実績時間を入力 |
| CATS(工数入力システム) | 担当者が日々の工数を入力し、承認後に転記 |
| CO直接転記(KB21N) | 原価センタから活動配賦 |
| HR連携 | 勤怠システムからの自動転記 |
CATSは、複数のプロジェクトや原価センタに対する工数を、担当者自身が入力する仕組みです。承認ワークフローを経て、PS、CO、HRへ転記されます。人件費の比重が大きいプロジェクトでは、CATSの導入が実績精度を大きく左右します。
実績の照会
| Tコード | 内容 |
|---|---|
| CJI3 | 実績原価の明細照会。どの伝票で発生したかを追える |
| CJI5 | コミットメントの明細照会 |
| CJI8 | 予算の明細照会 |
| S_ALR_87013532 | 予算/実績/コミットメントの比較レポート |
| CN41 / CN42N | プロジェクト構造の情報システム |
| CJE0 | プロジェクト階層レポート |
CJI3では、明細行から会計伝票へドリルダウンできます。「なぜこの原価が発生したのか」を追跡する際、まずCJI3で明細を確認し、元伝票へ辿るのが基本的な調査手順です。
進捗の測定
PSには、進捗率を算定する機能があります。原価の消化率だけでは実際の進み具合が分からないためです。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 原価比例法 | 実績原価 ÷ 計画原価 |
| マイルストーン法 | マイルストーンの達成に応じた進捗率 |
| 0-100法 | 完了するまで0%、完了で100% |
| 見積法 | 担当者が主観的に判断した進捗率 |
| 数量比例法 | 出来高数量 ÷ 計画数量 |
算定した進捗率は、EVM(アーンドバリューマネジメント)の基礎データになります。計画価値、出来高、実績原価を比較することで、コスト効率とスケジュール効率を数値化できます。