仕入先マスタと購買組織は、購買業務の基盤となる設定です。誰から買うのか、どの単位で購買活動を管理するのかを定義します。
仕入先マスタの3階層
| 階層 | 管理する情報 | 管理部門 |
|---|---|---|
| 総括データ | 名称、住所、電話番号、税番号、銀行情報 | 全社共通 |
| 会社コードデータ | 照合勘定、支払条件、支払方法、支払ブロック、督促 | 経理(FI) |
| 購買組織データ | 発注通貨、購買担当者、インコタームズ、最低発注金額 | 購買(MM) |
会社コードデータがなければ請求書の計上ができず、購買組織データがなければ発注ができません。両方が必要なのが通常の仕入先です。
購買組織(Purchasing Organization)
購買組織は、購買活動に責任を持つ組織単位です。仕入先との契約条件を交渉し、購買情報レコードや枠契約を保持する単位でもあります。
購買組織の設計には、いくつかのパターンがあります。
| パターン | 割当 | 特徴 |
|---|---|---|
| プラント固有 | 1プラントに1購買組織 | 拠点ごとに独立して購買する |
| 会社コード固有 | 1会社コードに1購買組織 | 会社単位で購買を集約する |
| 横断的(集中購買) | 会社コードに割り当てない | グループ全体でまとめて交渉する |
集中購買を行う場合、購買組織を会社コードに割り当てず、複数のプラントに割り当てます。これにより、グループ全体の購買力を活かした価格交渉が可能になり、その条件をすべての拠点で使えます。
購買グループ(Purchasing Group)
購買グループは、実際に購買業務を行う担当者または担当チームを表します。組織単位ではなく、あくまで担当区分です。
品目マスタの購買ビューに既定の購買グループを設定しておくと、購買依頼や発注の作成時に自動的に設定されます。「電子部品は購買グループ001、包装材は002」といった担当分けを表現できます。
仕入先勘定グループ
仕入先勘定グループは、仕入先を種別ごとに分類し、番号範囲と項目の入力制御を規定します。
| グループ | 用途 |
|---|---|
| 通常の仕入先 | 継続的に取引する仕入先。全階層を持つ |
| ワンタイム仕入先 | 一度限りの取引。住所は伝票側で入力 |
| 外注先 | 外注加工を依頼する先。特別な処理が必要 |
| 従業員 | 経費精算の相手として使う場合 |
仕入先評価
仕入先評価(Vendor Evaluation)は、仕入先のパフォーマンスを数値化して比較する機能です。複数の基準にもとづいてスコアを算出します。
| 基準 | 評価内容 | データ源 |
|---|---|---|
| 価格 | 市場価格や他社との比較 | 購買情報レコード、発注実績 |
| 品質 | 検査での不良率、クレーム件数 | QM |
| 納期 | 納期遵守率、数量の正確性 | 入庫実績と発注納期の比較 |
| サービス | 対応の迅速さ、柔軟性 | 手動評価 |
各基準に重みを設定し、総合スコアを算出します。定期的に評価を実行することで、取引継続の判断や価格交渉の材料になります。ただし、評価が意味を持つのは入庫や品質のデータが正確に入力されている場合に限られます。