発注した商品が届き、請求書が来て、支払に至る——この後半部分がMMの入庫と請求照合です。ここで在庫と会計が実際に動きます。
入庫処理(Goods Receipt)
入庫はMIGOで処理します。購買発注を参照して、実際に届いた数量を入力します。
入庫転記の瞬間に、2つのことが同時に起こります。在庫数量が増え、会計伝票が自動生成されます。
(借)原材料在庫 100,000
(貸)GR/IR勘定 100,000金額は、購買発注の価格と入庫数量から計算されます。品目の価格管理が標準価格(S)の場合、在庫は標準価格で計上され、発注価格との差額は価格差異勘定に転記されます。
| 移動タイプ | 意味 |
|---|---|
| 101 | 購買発注に対する入庫 |
| 102 | 101の取消 |
| 103 | 入庫(GRブロック在庫へ) |
| 105 | GRブロック在庫からの受入 |
| 122 | 仕入先への返品 |
| 161 | 返品発注に対する出庫 |
入庫の受入先を分ける
届いた商品をすぐ使える在庫にするとは限りません。品質検査が必要な場合や、内容を確認したい場合があります。
- 利用可能在庫:すぐに使える在庫。標準の受入先
- 品質検査在庫:QM連携時に自動的にここへ。検査合格後に利用可能へ振替
- ブロック在庫:問題がある、または判断保留の在庫
- GRブロック在庫:入庫はしたが、正式な在庫としてまだ計上しない状態(移動タイプ103)
請求書照合(Invoice Verification)
仕入先から届いた請求書は、MIROで処理します。購買発注番号を入力すると、その発注に対する入庫実績が表示され、請求内容と突き合わせます。
SAPは3つの情報を比較します。発注の単価と数量、入庫の数量、請求書の単価と数量です。
| 差異の種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 数量差異 | 請求数量が入庫数量と異なる | 100個入庫したが110個分の請求 |
| 価格差異 | 請求単価が発注単価と異なる | 発注1,000円だが請求1,100円 |
| 納期差異 | 納入が発注納期より遅い/早い | 納期管理を有効にしている場合 |
| 数量ずれ(金額) | 数量と単価の積が請求金額と合わない | 端数処理の違いなど |
許容範囲と照合ブロック
差異が出るたびにすべてを止めていては業務が回りません。そこで許容範囲(Tolerance)を設定します。
許容範囲は、絶対額とパーセントの両方で設定でき、上限と下限を別々に指定できます。「1,000円以内かつ5%以内の差異は自動的に受け入れる」といった設定です。
許容範囲を超えた請求書は、転記自体は行われますが、支払ブロックが設定されます。会計上は債務として計上されるが、支払は保留される状態です。
GR基準請求照合
購買発注明細のGR基準請求照合(GR-Based IV)にチェックを入れると、入庫実績1件ごとに請求書を照合する方式になります。
この設定を有効にすると、入庫していない分の請求書は照合できません。分納が多く、部分的な請求が発生する取引では、この設定によって照合精度が上がります。一方、入庫と請求の単位が一致しない取引では扱いにくくなります。
請求書の入力パターン
| パターン | 処理方法 |
|---|---|
| 発注に対する通常の請求 | MIROで発注番号を参照 |
| 発注のない請求(費用など) | FIのFB60で直接転記 |
| 運賃など計画外の付帯費用 | MIROで計画外諸掛として追加 |
| クレジットメモ | MIROで取引タイプをクレジットメモに変更 |