MMの月次処理は、在庫の帳簿価額を確定させ、会計と整合させることが目的です。FIの決算に先立って行われるべき処理が多く、順序が重要になります。
月次処理の全体像
| 順序 | 処理 | Tコード | 目的 |
|---|---|---|---|
| 1 | 未処理伝票の確認 | ME2N / MB51 | 入庫漏れ、請求照合漏れを洗い出す |
| 2 | 照合ブロックの解除 | MRBR | 保留中の請求書を処理する |
| 3 | GR/IR残高の分析 | MB5S / F.19 | 未着請求・未着品を振り替える |
| 4 | 在庫と会計の整合確認 | MB5L | 在庫金額とGL残高を突合する |
| 5 | 品目元帳の締め | CKMLCP | 実際原価計算を行う場合 |
| 6 | 期間クローズ | MMPV | MM側の転記期間を翌月へ移す |
GR/IR残高の分析
GR/IR勘定に残高が残っているということは、入庫と請求書のどちらかが未了だという意味です。決算では、この残高を性質ごとに振り替えます。
| 状態 | 残高の方向 | 振替先 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 入庫あり・請求書なし | 貸方残 | 未着請求(負債) | 商品は届いたが請求書が未着 |
| 請求書あり・入庫なし | 借方残 | 未着品(資産) | 請求書は来たが商品が未着 |
MB5Sで発注ごとのGR/IR残高を確認し、F.19で振替転記を行います。振替は翌月初に自動で戻し入れる(洗替)のが一般的です。
在庫と会計の整合確認
MMの在庫金額と、FIの在庫勘定残高は一致しているはずです。MB5Lでこの突合を行います。
不一致が生じる原因としては、勘定決定の設定変更、評価クラスの変更、システム障害時の不整合などが考えられます。原則として不一致は起きないはずのものなので、発見した場合は原因の特定が必要です。
| Tコード | 内容 |
|---|---|
| MB5L | 在庫金額とGL残高の突合 |
| MB52 | 現在庫の一覧(プラント・保管場所別) |
| MB51 | 在庫移動明細の照会 |
| MB5B | 指定日時点の在庫(過去日の在庫を確認できる) |
| MC.9 | 在庫の推移分析 |
期間クローズ(MMPV)
MMには、FIとは別に転記期間の管理があります。MMPVを実行することで、MM側の当期を翌月へ進めます。
MMでは、当期と前期の2期間のみが転記可能です。MMPVを実行すると、当期が翌月になり、それまでの当期が前期になります。それより前の期間には転記できなくなります。
| 期間 | 状態 |
|---|---|
| 当期(Current Period) | 通常の転記が可能 |
| 前期(Previous Period) | 転記可能。ただし設定で制限できる |
| それ以前 | 転記不可 |
在庫の低価法評価
期末には、在庫の評価額が時価を上回っていないかを検討する必要があります。滞留在庫や陳腐化した在庫は、評価減が求められます。
SAPには、在庫の滞留期間や消費実績にもとづいて評価減の額を算出する機能があります。MRN0(市場価格による評価)やMRN9(滞留在庫の評価)といったトランザクションで、評価減の対象と金額を算出できます。