原価要素(Cost Element)は、COにおいて「何の原価か」を表す分類です。FIにおける勘定科目に相当する位置づけで、COのあらゆる金額は必ずいずれかの原価要素に紐づきます。
2種類の原価要素
原価要素は、外部との取引から生じるものと、社内の振替でのみ使われるものに分かれます。
| 観点 | 一次原価要素 | 二次原価要素 |
|---|---|---|
| FIの勘定科目 | 対応する費用勘定が存在する | 対応する勘定がない |
| 発生源 | 外部との取引(購入、給与支払など) | CO内部の配賦・振替 |
| 会社全体の費用 | 増える | 変わらない |
| 代表的な用途 | 材料費、人件費、減価償却費 | 共通費配賦、活動振替、間接費配賦 |
| 原価要素カテゴリ | 1(一次原価/原価削減収益)など | 42(配賦)、43(活動配賦)など |
二次原価要素の存在意義は、社内でのやり取りをFIに影響させずに記録できる点にあります。総務部の費用を営業部へ配賦しても、会社全体としては1円も費用が増えていません。これをFIの勘定で処理すると費用が二重計上されてしまうため、CO専用の原価要素が必要になります。
原価要素カテゴリ
カテゴリは、その原価要素がどのような取引で使えるかを制御します。誤ったカテゴリを設定すると、意図した転記ができなくなります。
| カテゴリ | 種別 | 用途 |
|---|---|---|
| 1 | 一次 | 通常の一次原価。最も一般的 |
| 11 | 一次 | 収益。CO-PAや利益センタで収益を扱う場合 |
| 12 | 一次 | 売上控除(値引、割戻) |
| 22 | 一次 | 外部決済(指図から資産や勘定への決済) |
| 41 | 二次 | 間接費配賦(Overhead) |
| 42 | 二次 | 配賦(Assessment) |
| 43 | 二次 | 活動配賦(Internal Activity Allocation) |
原価要素グループ
原価要素グループは、複数の原価要素をまとめた集合です。レポートでの集計や、配賦の対象範囲を指定する際に使います。
「人件費関連」「設備関連」といった性質別のグループを作っておくと、レポートの定義が簡潔になります。原価要素が追加されたときも、グループに追加するだけでレポートが自動的に対応します。階層構造も作れるため、大分類・中分類・小分類といった段階的な集計も可能です。
S/4HANAでの統合
ECCでは、費用勘定を作った後、KA01で原価要素を別途作成する必要がありました。同じ番号で2つのマスタを維持する形であり、片方だけ作って片方を忘れるという事故が起きやすい構造でした。
S/4HANAでは、この二重管理が解消されました。原価要素は総勘定元帳勘定の1つの属性となり、FS00で勘定を作成する際に「勘定タイプ」で指定します。
| 勘定タイプ | 意味 |
|---|---|
| 貸借対照表勘定 | B/S科目。原価要素にはならない |
| 非集計損益勘定 | P/L科目だが原価要素ではない |
| 一次原価要素/収益要素 | P/L科目かつ一次原価要素 |
| 二次原価要素 | CO内部の振替専用。FIには現れない |