セクション 7 / 10

原価要素

一次原価要素と二次原価要素の違い、原価要素グループの使い方、そしてS/4HANAで勘定科目に統合された経緯を解説します。

目次を開く

原価要素(Cost Element)は、COにおいて「何の原価か」を表す分類です。FIにおける勘定科目に相当する位置づけで、COのあらゆる金額は必ずいずれかの原価要素に紐づきます。

2種類の原価要素

原価要素は、外部との取引から生じるものと、社内の振替でのみ使われるものに分かれます。

観点一次原価要素二次原価要素
FIの勘定科目対応する費用勘定が存在する対応する勘定がない
発生源外部との取引(購入、給与支払など)CO内部の配賦・振替
会社全体の費用増える変わらない
代表的な用途材料費、人件費、減価償却費共通費配賦、活動振替、間接費配賦
原価要素カテゴリ1(一次原価/原価削減収益)など42(配賦)、43(活動配賦)など

二次原価要素の存在意義は、社内でのやり取りをFIに影響させずに記録できる点にあります。総務部の費用を営業部へ配賦しても、会社全体としては1円も費用が増えていません。これをFIの勘定で処理すると費用が二重計上されてしまうため、CO専用の原価要素が必要になります。

原価要素カテゴリ

カテゴリは、その原価要素がどのような取引で使えるかを制御します。誤ったカテゴリを設定すると、意図した転記ができなくなります。

主な原価要素カテゴリ
カテゴリ種別用途
1一次通常の一次原価。最も一般的
11一次収益。CO-PAや利益センタで収益を扱う場合
12一次売上控除(値引、割戻)
22一次外部決済(指図から資産や勘定への決済)
41二次間接費配賦(Overhead)
42二次配賦(Assessment)
43二次活動配賦(Internal Activity Allocation)

原価要素グループ

原価要素グループは、複数の原価要素をまとめた集合です。レポートでの集計や、配賦の対象範囲を指定する際に使います。

「人件費関連」「設備関連」といった性質別のグループを作っておくと、レポートの定義が簡潔になります。原価要素が追加されたときも、グループに追加するだけでレポートが自動的に対応します。階層構造も作れるため、大分類・中分類・小分類といった段階的な集計も可能です。

S/4HANAでの統合

ECCでは、費用勘定を作った後、KA01で原価要素を別途作成する必要がありました。同じ番号で2つのマスタを維持する形であり、片方だけ作って片方を忘れるという事故が起きやすい構造でした。

S/4HANAでは、この二重管理が解消されました。原価要素は総勘定元帳勘定の1つの属性となり、FS00で勘定を作成する際に「勘定タイプ」で指定します。

S/4HANAの勘定タイプ
勘定タイプ意味
貸借対照表勘定B/S科目。原価要素にはならない
非集計損益勘定P/L科目だが原価要素ではない
一次原価要素/収益要素P/L科目かつ一次原価要素
二次原価要素CO内部の振替専用。FIには現れない

📖 わからない用語は SAP用語辞典 で調べられます。

理解度チェック

このセクションの内容を確認しましょう。

確認問題 1

一次原価要素(Primary Cost Element)の説明として正しいものはどれか。

確認問題 2

二次原価要素(Secondary Cost Element)はFIの総勘定元帳に対応する勘定科目が存在する。

確認問題 3

アセスメント(Assessment)で使用される原価要素のカテゴリはどれか。

確認問題 4

SAP S/4HANAでは、一次原価要素とG/L勘定(総勘定元帳勘定)が統合され、FIとCOで同一のオブジェクトとして管理される。

確認問題 5

活動配賦(Activity Allocation)に使用される二次原価要素のカテゴリはどれか。

確認問題 6

費用の発生からCO内での処理までの流れを正しい順番に並べなさい。

クリックして正しい順番に選んでください