収益性分析(CO-PA)は、「どの製品が、どの顧客に、どの地域で、いくら儲かっているか」に答えるための領域です。FIの損益計算書が会社全体の利益しか示さないのに対し、CO-PAは利益を任意の切り口で分解します。
CO-PAが答える問い
「今期の営業利益は10億円だった」という事実だけでは、経営判断はできません。知りたいのはその中身です。
- A製品は利益率が高いが、B製品は赤字ではないか
- 大口顧客Xは売上は大きいが、値引きと物流費を差し引くと採算はどうか
- 関西エリアの営業所は、他エリアと比べて収益性が高いのか
- 新規に投入したC製品は、想定した粗利を確保できているか
これらに答えるには、収益と原価を製品・顧客・地域といった軸で分解して保持する必要があります。それを行うのがCO-PAです。
特性と数値項目
CO-PAのデータ構造は2つの要素からできています。
| 要素 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 特性(Characteristic) | 分析の切り口。どの軸で分けるか | 製品、製品グループ、得意先、販売組織、地域、販売チャネル |
| 数値項目(Value Field) | 測定する金額や数量 | 売上高、値引、原材料費、物流費、販売数量 |
特性の組み合わせ1つひとつを収益性セグメントと呼びます。「製品A × 得意先X × 関東エリア」という組み合わせが1つのセグメントであり、そこに売上高や原価といった数値項目が集計されます。
原価基準型と勘定基準型
CO-PAには2つの形式があり、データの持ち方が根本的に異なります。
| 観点 | 原価基準型 | 勘定基準型 |
|---|---|---|
| 金額の入れ物 | 数値項目(自由に定義) | 原価要素(勘定科目) |
| FIとの整合 | 一致しないことがある | 常に一致する |
| 売上原価の内訳 | 原価コンポーネント別に分解できる | 売上原価という1本 |
| 計上タイミング | 出荷時点で見込み原価を計上できる | FIの転記に従う |
| 向いている用途 | 粗利の要因分析、限界利益管理 | FIとの整合を重視する管理 |
原価基準型の強みは、売上原価を原材料費・労務費・間接費といった内訳に分解して見られる点です。粗利がなぜ低いのかを、原価の構成要素まで遡って分析できます。一方で、独自の数値項目に金額を移すため、FIの損益計算書と数字が一致しないことがあります。
勘定基準型は原価要素をそのまま使うため、FIとの整合が保証されます。その代わり、売上原価は勘定単位でしか見られません。
CO-PAにデータが流れる経路
| 発生元 | 流れる内容 | タイミング |
|---|---|---|
| SD請求 | 売上高、値引、販売数量 | 請求伝票の転記時 |
| CO-PC | 標準原価(原価コンポーネント別) | 出荷または請求時 |
| 内部指図の決済 | 販促費など | 期末の決済処理 |
| 原価センタの配賦 | 間接費の配賦額 | 期末の配賦処理 |
| FI直接転記 | その他の収益・費用 | 転記時 |
SD請求からの流入では、価格条件と数値項目の対応づけが必要です。「条件タイプPR00の金額を数値項目ERLOSへ」といったマッピングを設定します。この対応づけを誤ると、売上高が正しく集計されません。
CO-PAのレポートは、KE30で実行します。特性を行や列に自由に配置し、数値項目を集計するドリルダウンレポートを作成できます。