活動タイプ(Activity Type)は、原価センタが提供する役務の種類を表すマスタです。「機械稼働時間」「作業時間」「段取時間」といった単位で、部門が他部門や製品に提供したサービスを測ります。
なぜ活動タイプが必要なのか
製造部門で発生した原価を、製品ごとに割り振ることを考えてみます。単純に総原価を生産数量で割ると、手間のかかる製品と簡単な製品が同じ原価になってしまいます。
そこで「この製品には機械を2時間使った」という実態を記録し、機械稼働1時間あたりの原価を掛けることで、実態に即した原価配分が可能になります。この「1時間あたりいくら」が活動単価であり、その単位が活動タイプです。
| 活動タイプ | 単位 | 典型的な提供元 |
|---|---|---|
| 機械稼働 | 時間 | 製造原価センタ |
| 直接作業 | 時間 | 製造原価センタ |
| 段取 | 時間 | 製造原価センタ |
| 設計工数 | 時間 | 技術部門原価センタ |
| 検査 | 件数 | 品質保証原価センタ |
活動単価の決まり方
活動単価は、その原価センタの原価を、提供する活動量で割って求めます。式としては単純ですが、分子と分母をどう見積もるかが実務の要点です。
- 原価センタの計画原価を積み上げる:人件費、減価償却費、消耗品費などを費目ごとに計画します。
- 計画活動量を見積もる:その原価センタが年間何時間の稼働を見込むかを決めます。
- 割り算する:計画原価 ÷ 計画活動量 = 計画活動単価。
計画活動量の入力はKP26、計画原価の入力はKP06で行います。単価をSAPに計算させる場合はKSPIを実行し、単価を直接指定する場合はKP26で入力します。
政治価格(Political Price)
活動単価は、必ずしも計算で求める必要はありません。経営判断として固定的な単価を設定することもでき、これを政治価格と呼びます。
「新設備の導入で減価償却費が急増したが、製品原価は据え置きたい」といった場合に使われます。ただし、政治価格を使うと計画原価と配賦額の差が原価センタに残り、その差額の扱いを別途決める必要があります。
活動の実績記録
計画ができたら、次は実際に何時間使われたかを記録します。この記録は多くの場合、他モジュールから自動的に行われます。
| 記録元 | 内容 |
|---|---|
| PP(生産計画) | 製造指図の確認入力時に、作業時間や機械時間が実績として記録される |
| PS(プロジェクト管理) | ネットワーク活動の確認時に工数が記録される |
| CO(直接入力) | KB21Nで手入力する |
活動が記録されると、提供側の原価センタでは貸方(原価の払い出し)、受入側の指図や原価センタでは借方(原価の受入)が同時に立ちます。この振替には二次原価要素が使われます。
実際活動単価の算定
期末には、計画単価ではなく実績にもとづく単価を計算し直すことができます。これが実際活動単価の算定(KSII)です。
実際に発生した原価を実際の活動量で割ることで、その期の真の単価が求まります。この単価で再評価(MFN1)すると、計画単価で暫定的に振り替えていた金額が実績ベースに修正され、原価センタに残っていた差額が解消されます。