システム監視は、問題が業務に影響する前に検知することを目的とします。障害が起きてから対応するのではなく、予兆の段階で手を打つことが理想です。
日次点検の項目
多くの現場では、毎朝一定の項目を確認する運用が定着しています。以下は代表的な点検項目です。
| Tコード | 確認内容 | 異常時の意味 |
|---|---|---|
| SM51 | インスタンスの稼働状況 | サーバが停止している |
| SM50 / SM66 | ワークプロセスの状態 | 長時間実行、プロセス枯渇 |
| SM21 | システムログ | システムレベルのエラー |
| ST22 | ショートダンプ | プログラムの異常終了 |
| SM37 | ジョブの実行結果 | バッチの失敗 |
| SM13 | 更新エラー | 保存されていない伝票がある |
| SM12 | ロックエントリ | 古いロックが処理を妨げている |
| SP01 | スプール要求 | 印刷の失敗、スプール溢れ |
| DB02 | データベースの領域 | テーブルスペース不足 |
| SM58 | tRFCの失敗 | 外部システム連携の失敗 |
ワークプロセスの監視
SM50は、そのインスタンスのワークプロセスの状態を表示します。SM66は、システム全体(全インスタンス)を横断して表示します。
| 状態 | 意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 待機中 | 処理待ち。正常 | — |
| 実行中 | 処理中 | 長時間続く場合は要調査 |
| 停止(Stopped) | 何かを待っている | 待機理由の確認が必要 |
| PRIV | メモリを占有している | 大量データ処理。他のユーザーが使えない |
ロックの監視
SM12は、現在保持されているロックエントリを表示します。ロックは、複数ユーザーが同じデータを同時に更新することを防ぐ仕組みです。
通常、ロックは処理の終了とともに解放されます。しかし、GUIが異常終了した、ネットワークが切断されたといった場合、ロックが残ることがあります。
システムログとダンプ
SM21は、システムレベルで発生した事象を記録します。データベース接続の問題、メモリ不足、プロセスの異常終了などが記録されます。
ST22のショートダンプは、ABAPプログラムの異常終了を記録します。件数が急増している場合、特定のプログラムに問題があるか、システムのリソースが不足している可能性があります。
| 順序 | 確認 |
|---|---|
| 1 | 同じ種類のダンプが繰り返し発生しているか |
| 2 | 特定のユーザーやプログラムに集中しているか |
| 3 | 発生時刻に何か変更があったか(移送、パッチ) |
| 4 | TIME_OUTやメモリ関連なら、システムリソースを確認 |
| 5 | SAP Noteに該当する既知の問題がないか検索 |
監視の自動化
手動での点検には限界があります。SAPは監視を自動化する仕組みを提供しています。
| ツール | 内容 |
|---|---|
| CCMS(RZ20) | アラートモニタ。閾値を超えたら通知 |
| SAP Solution Manager | 複数システムを統合的に監視 |
| SAP Focused Run | 大規模ランドスケープ向けの監視基盤 |
| 外部監視ツール | Zabbix、Nagiosなどとの連携 |