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違いの比較

出庫と出荷の違いとは?意味とSAPの出庫転記(Post Goods Issue)をわかりやすく解説

出庫とは在庫を倉庫から出すこと、出荷とは商品を顧客へ送り出す業務のことです。2つの違いと、SAPの出庫転記(Post Goods Issue)で何が起きるか、取消の方法まで解説します。


「出庫」と「出荷」は似た言葉ですが、指している範囲が違います。

言葉英語意味誰の視点か
出庫Goods Issue在庫を倉庫(保管場所)から出すこと。在庫が減る在庫管理
出荷Shipping / Delivery商品を顧客など社外へ送り出す一連の業務販売・物流

出荷は「出荷指示 → ピッキング → 梱包 → 積込み → 発送」という業務の流れ全体を指し、その中で在庫が減る瞬間が出庫です。逆に、出庫は出荷のときだけに起きるわけではありません。

出荷以外の出庫

工場で部品を使うとき、社内で消耗品を使うとき、不良品を廃棄するときも、在庫が減るので出庫です。SAPでは、出庫の目的ごとに「移動タイプ」という3桁のコードで区別します。

主な出庫の移動タイプ
移動タイプ出庫の目的出荷か
601出荷伝票による出庫(顧客への出荷)出荷
641在庫転送オーダーによる出庫(自社の別プラントへ)社内の出荷
201原価センタへの出庫(社内での消費)出荷ではない
261製造指図への出庫(生産での部品の消費)出荷ではない
551廃棄のための出庫出荷ではない

SAPでの出荷の流れ

SAPの販売管理(SD)では、出荷は次の順番で進みます。最後の「出庫転記」で、出荷と出庫が結びつきます。

手順内容主なトランザクション
1. 出荷伝票の登録受注伝票を参照して、何をいつどこから出すかを決めるVL01N
2. ピッキング倉庫から商品を取り出し、ピッキング数量を入力するVL02N など
3. 梱包必要に応じて梱包の情報を登録するVL02N
4. 出庫転記商品が出たことを確定し、在庫を減らすVL02N、VL06G
5. 請求出荷済みの数量をもとに請求伝票を作るVF01、VF04

出庫転記(Post Goods Issue)とは

出庫転記(Post Goods Issue、略して PGI)は、出荷伝票の商品が実際に倉庫から出たことを確定する処理です。英語の「post」は「記帳する」という意味で、出庫の事実を帳簿に記録することを表しています。

出庫転記を実行すると、次のことが同時に起こります。

  • 在庫が減る(移動タイプ 601 の入出庫伝票が作られる)
  • 会計伝票が作られ、売上原価が計上される
  • 受注の所要量(引当)が消える
  • 出荷伝票のステータスが「出庫済み」になり、請求の対象になる
出庫転記のときの仕訳のイメージ
(借)売上原価  ×××
(貸)製品(在庫)×××

出庫転記を取り消すには

出庫転記の取消は VL09 で行います。取消では移動タイプ 602(601 の取消)の伝票が作られ、在庫と売上原価が元に戻ります。

すでに請求伝票を作成している場合は、先に請求伝票を取り消す(VF11)必要があります。取り消す順番は「請求 → 出庫転記 → 出荷伝票」と、登録の逆になります。

よくあるつまずき

症状確認するポイント
出庫転記がエラーになる保管場所の在庫が足りているか、ピッキング数量が入っているか、ロット(バッチ)が決まっているか
請求伝票が作れない出庫転記が済んでいるか(出荷に関連する請求は出庫転記が前提)
売上原価の金額がおかしい品目マスタの評価価格(標準原価・移動平均原価)
当月の売上と原価が合わない出庫転記と請求伝票の日付が月をまたいでいないか

まとめ

  • 出庫は在庫を出すこと、出荷は商品を顧客へ送り出す業務全体
  • 出庫には、出荷以外に社内消費・生産での消費・廃棄なども含まれる
  • SAPの出庫転記(PGI)で、在庫の減少と売上原価の計上が同時に行われる
  • 取消は VL09(移動タイプ 602)。請求済みなら先に請求を取り消す

わからない用語は SAP用語辞典 で調べられます。